品質管理って聞くけど、いったいどこから手をつけたらいいのかわからない…。職員全員がまとまって意識を高めてくれるにはどうしたらいいのだろう…。と考えたことはありませんか?そのためにはどんなことに注目しなければならないのか、また業務改善でも役立つ品質管理方法の手順をここで説明します。
1.品質管理の考え方?
以前は、品質管理の業務は市場に不良が出ないようにするための最終の検査を行うことが主な業務でした。しかし、現代では不良を生み出さないために「工程で品質管理向上を徹底し保証する」という業務にシフトをおいています。まずは、現代の品質管理の考え方としていくつか説明します。
①品質第一
品質第一は提供する製品やサービスが良いものであることが大前提ですが、この品質第一とは作業をする人に対しても言えます。例えば、商品を手に取る持ち方ひとつ取っても、製品に傷がつかないかという意識を持つのが品質管理向上に繋がると言えます。
②顧客目線で考える
提供した製品やサービスがお客様に満足して頂けるかどうかを考えるのは、非常に重要です。顧客を重要視することで、よりよいサービスや製品を生み出すことに繋がります。そして、作業をする上では、次の工程を引き継ぐ作業員に対しても顧客目線で考えられるようになると作業効率もあがり、不良を減らすことができます。
③プロセスを管理する
不良やサービスの結果が悪いのは、プロセス(工程)のどこかが悪かったということです。よりよいサービスや製品を作るには、このプロセスの管理に着目することが最も重要です。仕事のやり方や製品の原材料、設計や作業工程に焦点を当てることにより業務改善にもつながります。
2.品質管理のサイクルを明確化する
品質管理のサイクルは「PDCAサイクル」と呼ばれています。
P=計画(PLAN):目標を決め、達成させるために必要な計画を作成する。
D=実施(DO):作成した計画を実行する。
C=確認(CHECK):目標に対する計画の進捗を確認し、評価や見直しを行う。
A=処理(ACTION):評価や見直しに対して適切な処理を行い、次につなげる。
作業ごとにPDCAサイクルを実行することにより、よい品質管理の向上につながります。
PDCAサイクルを行うことにより次の効果が期待できます。
①ばらつきの管理
製品やサービスは業務によって多少あるものですが、それを放っておけば顧客に迷惑がかかったり、企業の社会的信用を落とす恐れがあったりします。PDCAサイクルを実行することで「ばらつき」を最小限に抑えることができます。
②作業の徹底
より良い品質を作り込むための適切な手順を「標準」とし、問題が発見されるごとに改善措置を行うようにします。PDCAサイクルを適切に行えば、改善措置後の確認も見落とすことがなくなります。
③見える化
業務の適切な手順を「標準」としたマニュアルは作成されている企業は多いですが、マニュアルは専門用語をなるべく省き、分かりやすいものでなくてはなりません。ベテラン、新入社員、あるいは外国人が見てもわかるものが最適です。
PDCAサイクルでは計画を実行したあとも改善を繰り返し行います。どんな状況でどんな問題が起きているのか現場の声を職員全員が見えるようにするのです。
④ノウハウの共有
業務を行う人全員でマニュアル手順や工程の問題点、改善点の情報を共有することにより、業務全体の作り込み力が高まります。
3.品質管理が業務改善につながる
品質管理の業務は品質改善も含まれます。製品やサービスに問題が起こった時は、作業の工程や業務の内容を見直し改善を目指しますが、問題が解決することで結果的に品質改善が業務改善につながります。そのためには問題解決の手順となる
現状の把握
原因の分析
対策立案
を徹底していく必要があります。事実に基づく原因を究明して取り除き、不良の再発防止に努めます。品質改善には生産側でなく、原材料や部品の購入先、販売側にも実施を求める必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。業務の品質管理とはすなわち、会社全体の意識改革と言っても過言ではありません。
品質第一、顧客目線で考える、プロセスを管理する、PDCAサイクルを重要視する、
そして業務改善はコストを下げることが全てではありません。これらのことを意識しながら企業で働く全員が品質管理とは何かを理解していくことであり、作業工程の手順やマニュアルに不具合はないか分析・評価し、品質・費用・時間を現状よりも良い状態にしていくこと。それが企業の社会的信用にもつながり、働く人の意欲向上にもつながるのです。