業種や業態を問わず、営利企業にとって売上管理は非常に重要な業務です。特に、日々、多数の売上が加算されていく店舗・サービス事業者にとって、日々の仕入れや次なる投資(人材採用やITシステム導入など)を考える上で、正確かつリアルタイムに売上を管理することは欠かせません。そこで、本コラムでは売上管理の種類や活用方法について解説していきます。
売上管理とは?
売上管理とは、目標としている売上高と実際の売上高との予実を管理して、目標売上高の達成を目指していく業務です。一般には、受注から商品の出荷、配送、代金回収に至る販売管理に含まれる業務とされます。売上は、まさに企業の業績そのものですから、正確な管理が求められます。特に、多店舗を展開している場合には、複数の店舗から寄せられる売上情報を本部が集計する必要があるため、業務が煩雑になるケースも珍しくありません。
売上管理を効率化するためには?
これまで、売上管理は売上伝票を手作業で集計して、売上日報や売上管理表に記入して管理するという方法が一般的でした。個人商店や小規模店舗など、客数が限られており、伝票枚数も少ないという場合には、このような方法でもミスなく管理することができるでしょう。しかし、ある程度の客数がある場合には、より正確で効率的な方法が求められます。
レジスターとExcelによる管理
最近では、多くの店舗がレジスターを導入しています。レジスターがあれば、レジ締めの操作を行って売上計上用の伝票を出力することができます。レシートに一覧形式で日ごとの売上が印字されるため、1枚1枚伝票を集計するという先ほどご紹介した方法よりも手間は減ります。さらに、売上日報や売上管理表をExcelで作成して電子化すれば、より一層業務を効率化できるうえ、管理も楽になるでしょう。
POSレジ上で自動計上
売上管理のさらなる効率化を目指して、最近では、POSレジを導入する店舗も少なくありません。POSとは、Point Of Sales(販売時点管理)の略であり、各会計の時点での売上をレジに記録したり、外部のシステムに対して自動的に情報を引き渡したりすることができる機能のことです。そして、この機能をもったPOSレジを導入している場合には、本部の売上管理システムと連携することによって、手作業によることなく、売上を自動的に計上することができます。さらに、売上情報は本部の売上管理システムに自動的に送信されるため、本部における各店舗の売上集計業務も飛躍的に効率化することが可能です。さらに、売上情報は売上管理システムにリアルタイムで引き渡されるので、本部は、正確な売上情報にもとづいて、売上目標の達成に向けた様々な施策をスピーディーに実行できるようになります。
代表的なPOSレジの種類
前述したように、POSレジは売上管理の効率化につながるITシステムです。そんなPOSレジは、大きく2つの種類に分類することができます。
専用機型POSレジ
現在、多くの店舗で利用されているのが専用機型POSレジです。レジ、キャッシュドロワー、レシートプリンタ、ディスプレイといった装置が一体となっています。また、オーダー受け用のハンディ端末や、予約管理システムと連携可能な製品も存在します。導入によって、売上管理を含む様々な店舗業務の効率化を期待できるものの、専用機の購入やベンダーによる設定などで、1台あたり数十万〜数百万円程度の初期費用が発生してしまいます。また、操作・設定が複雑なため、スタッフの教育に時間を要してしまうという点にも注意が必要です。
タブレット型POSレジ
前述した専用機型POSレジの「初期費用が高額」「スタッフ教育に時間を要する」という課題を解消できるものとして、このところタブレットPOSレジが注目を集めていることをご存知でしょうか?タブレット型POSレジは、タブレット端末に専用アプリをダウンロードすることによって利用することができるPOSレジです。数万円程度のタブレット端末を手に入れるだけで導入できるので、専用機型POSレジよりも初期費用を大幅に圧縮することができます。さらに、タブレット端末上で直感的に操作ができるので、マニュアルなどを読まなくとも、誰でも短期間で使いこなせるようになることも魅力の1つ。また、専用機型POSレジのようにレジ周りのスペースを取らないので、小規模店舗をはじめ、省スペースで導入可能というメリットもあります。
まとめ
売上管理を効率化するためには、職種や業務内容に応じた機能を選ぶことが必要となります。
POSレジを導入する場合は、自社のニーズと予算を踏まえたうえで決定することが重要になります。
また、売上管理をするうえで必要となるメリットなどを見据えて選ぶことも大切ですね。