先日、業務提携やインターネットの集客のお手伝いに関する面談で、20社の税理士事務所さんを訪問しました。
様々なタイプの所長様、代表税理士の方と話す中で、事業を伸ばしている事務所とそうでない事務所の違いが見えてきたのでまとめてみました。
面談内容と業界について
面談の詳細
【事務所の規模内訳】
-スタッフ30-40名の税理士法人5社
-スタッフ4-10名の税理士・会計事務所4社
-スタッフ1-3名で運営している個人事務所11社
【ヒアリング内容】
-1回1時間
-現場の仕事詳細
-得意分野、苦手分野、伸ばしていきたい分野
-インターネットでの集客状況
業界はどうなっているのか?
まずは、業界について見ていきましょう。令和元年7月末日現在で全国に77,942名の税理士さんがいます。そのうちの23,085名は東京に登録しているので、全体の30%は東京で活動していることになります。
※参照:全国税理士連合会ホームページ
税理士法人数と税理士人数の推移
2010年から現在までの推移を見ると、税理士法人の数が約2000社から約4000社と約2.5倍に増加傾向しているにも関わらず、税理士人数は7万人後半から変化がありません。
※参照:国税局ホームページ
また、業界内で有名な事務所や税理士法人の勢力図を見てみると、大きく2つに別れていました。1つは規模が大きく200名以上のスタッフを抱え、総合的な業務を行っている事務所です。
代表的なのは、辻・本郷、山田グループ、AGS、平成会計社など。
もう一つは、ある特定の分野に特化している事務所です。
代表的なのは、相続分野に特化しているレガシィやチェスターなどです。
※各所長さんからのヒアリングをベースに筆者がインターネットで調べました。
税理士業界が直面している2つの課題
今税理士業界が直面している大きな課題があります。1つめは会計ソフトによる税理士離れです。会計ソフトのfreeeの台頭で個人でも確定申告が比較的容易になり、記帳代行という業務が廃れつつあります。
もう1つは、業界全体の高齢化です。税理士の平均年齢は60歳を超えており、業界全体の若返りが難しくなっています。
面談させていただいた所長さんの中には「ここ10-20年で9割の税理士は淘汰される」とおっしゃっている方がいました。
厳しい環境にある税理士業界ですが、一方で業績を伸ばしている事務所も存在します。そのような事務所の特徴はなんなのでしょうか?
顧客を獲得し売上を伸ばしている税理士事務所の特徴
1.強みが明確
これは、事務所の規模関係なく共通していることですが、業績が伸びている事務所は自社の強みや展望、力を入れている分野が明確です。
「医療系に強い、M&Aに強い、税務だけでなく経営コンサルティングができる」など、質問に対する答えが素早くはっきりとした答えが出ます。
逆に、先行きに不安を感じていたり業績が伸びない会社はここがあまり明確ではありません。開業したての税理士さんや、個人事務所の方に多いのですが、
「どんなことをに力を入れていますか?」という質問に対する答えが、「税務全般を行えます」や「なんでもやります!」という内容。
なんでもやる!ってやる気があっていいんじゃいの?思うかもしれませんが、個人的にはなんでもやるって方には何をお願いしていいのかがわからない。と思ってしまいます。
また、知人を紹介したくても、どんな方を紹介していいかわからないので、中々紹介に繋がりません。このように、業績を伸ばしたいという思いがあるならば、自身の強みを理解することが必須になると思います。
2.採用活動、会社の若返りに積極的
これはどちらかというと中堅~大手の税理士事務所は仕事よりも人に困っているパターンが多いです。その中でも、採用活動がうまくいっている税理士法人の特徴は以下の6つです。
・自社のホームページに採用の項目がある
・在勤のスタッフの様子がわかる
・インターンを採用している
・所長自身が自社の特徴を説明できる
・どのような人物を採用したいか明確
・情報発信に積極的
です。
まとめ
業績を伸ばし続けている税理士事務所の特徴は、
1.自社の強みが明確
2.採用活動、会社の若返りに積極的
一方、何でもやります、税務全般出来ますという事務所は苦戦。
今回の内容は税理士事務所だけではなく全てのビジネスにおいて重要な内容だと思います。時代の流れが速い現代ですが、自分の強みを明確にして業績を伸ばしていきたいですね!最後までお読みいただきありがとうございました。