マーケティングは企業の戦略にとってコアな業務のひとつです。インターネットが普及した現在、マーケティングは不特定多数の集団へのマス・マーケティングから個々を対象としたデジタルマーケティングへとその手法が変わってきています。
デジタルマーケティングの種類とそれぞれの活用方法を解説していきます。
デジタルマーケティングとは
従来のマーケティングは、市場全体に向けた広告や、テレビや雑誌などの媒体を通したアンケートの結果をベースとした特定の集団に対してプロモーションを行うといった、マス・マーケティングが主流でした。
これに対し、デジタル・マーケティングとは一人一人の嗜好に合わせて、商品の購買やサービスの利用を促していくようなマーケティングの手法のことを言います。
スマートフォンが普及したことで、マーケティング戦略において、消費者がいつでもどこからでも商品を購入できるオムニチャネル化が進みました。
それに伴い、宣伝・PRという広告活動においても、ECサイトでのショッピング履歴やWebサイトへのアクセス、リアルな店舗での購買という消費行動のほか、
SNSでの発信やIoTから収集した情報までも含めたビッグデータを解析し、顧客のニーズをリアルに把握して、そこに的確にアプローチしていくことが求められるようになりました。
デジタルマーケティングとは、さまざまなデジタルデバイスから集められた消費者の膨大なデータを分析し、あらゆるタイプの顧客に対して戦略的に行っていくマーケティングなのです。
Webマーケティングとの違い
Webマーケティングは、Webサイトに訪れたユーザーのアクセス履歴により、ユーザーがサイトのコンテンツからどのような情報を得ようとしているのかを把握し、コンテンツに対する満足度を上げて消費につなげていくものです。
それに対し、デジタルマーケティングはWebサイトだけでなく、複数のチャネルを連動させて活用するものです。このようにデジタルマーケティングとWebマーケティングには、扱うデータの範囲に違いがあります。
デジタルマーケティングの種類
主なデジタルマーケティングの種類と活用方法について具体的に見ていきましょう。
1.SNSマーケティング
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を使ったマーケティングです。自社のアカウントを通じて情報を発信するだけでなく、ユーザーと直接コミュニケーションを図るなどの方法です。企業や商品に対して親近感を持ってもらったり、分析ツールを使うことで、ユーザーの様々なデータを収集し、PR戦略に役立てます。
主なSNSの代表例
・Facebook
・Instagram
・LINE
・Twitter
2.アプリマーケティング
スマートフォンのアプリを通じたマーケティングです。アプリをからのプッシュ機能によって、ユーザーにリアルタイムで直接情報を発信する方法です。会員登録などにより、ターゲットとなるユーザーの志向を分析したり、アクティブユーザーの囲い込みにつながります。
3.SEOマーケティング
SEO(Search Engine Optimization)マーケティングとは、検索エンジンを使ったマーケティングです。
潜在顧客が検索している情報を、自社のサイトに紐付け、アクセス数を増やすことを目的としています。
そのためにはキーワード戦略などを行い、検索結果のページで上位に上がるようにウェブサイトを整備、最適化していきます。
4.メールマーケティング
Eメールをユーザーに送って、コンテンツや割引サービスなどのプロモーションを行う手法です。既存の顧客に対するリピーター育成を目的としています。Eメール送信のほか、メールマガジンも同様のマーケティング形態です。
5.動画広告
Youtubeなどの動画共有サイトに自社の動画コンテンツを投稿するパターンと、テレビCM等で流すための動画を、各投稿者の動画の前に広告として流すパターンです。
しかしこの手法は直接ユーザーのアクションに結びつくかどうかの確約はなく、効果の測定が難しいという側面があります。
6.IoT活用
IoTとは、「Internet of Things」の略です。「モノのインターネット」といわれるもので、テレビやゲーム機、スピーカーなど、身の回りにあるあらゆるものがインターネットと接続することです。
そしてそのIoTから得られたユーザーのデータをマーケティングに生かすという方法です。
7.バナー広告
Webサイト内の広告枠を一定期間買い取って、画像やテキスト、動画で広告を表示させるものです。認知度の高さをとわず不特定多数にアピールし、潜在ユーザーへの働きかけをしますが、費用対効果で見るとかなりの予算が必要となる方法です。
8.リスティング広告
インターネットで検索されたワードに関連した商品やサービスを表示させる広告です。配信するターゲットを細かく設定でき、またキーワードごとに出稿できるため、安価な予算で取り組むことが可能です。
これからのデジタルマーケティング
デジタルマーケティングでは消費者の細かい情報が大量に蓄積されます。これらの膨大で多様なデータを分析し、消費者のニーズを的確に理解するには特別なノウハウが必要です。
そこで活用されるのがAIです。
AIをマーケティングに活用することで、より綿密に消費者の行動や嗜好を把握・予想することが可能になります。その結果、ひとりひとりのユーザーのニーズに対してさらに的確なアプローチをし、顧客満足度のアップとともに最終的なコンバージョンにつながるのです。
まとめ
デジタルマーケティングは多様化する消費者の嗜好や行動に対し、効果的にマーケティングしていくために必要な手法です。今回ご説明した内容をまとめると以下の通りです。
・デジタルマーケティングとは、さまざまなデジタルデバイスから収集された消費者のデータを分析し、顧客の嗜好や行動を予測し、戦略的にアプローチをしていく手法である。
主なタルマーケティングの種類
・SNSマーケティング
・アプリマーケティング
・SEOマーケティング
・メールマーケティング
・動画広告
・IoT活用
・バナー広告
・リスティング広告
・今後AIの活用によりさらに効果的なマーケティング効果が期待できる。
企業のマーケティングは、時代とともに変化する消費者行動に迅速に対応し、戦略的に行っていくことが求められているのです。最後までお読みいただきましてありがとうございました。